令和4年7月31日日曜日 謡と仕舞の会 (1)

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令和4年7月31日日曜日 謡と仕舞の会 (1)

猛暑の中、お集まりいただき開催することのできました「謡と仕舞の会」。

築70年ほどの梅若万三郎家の能舞台、外気が強烈でエアコンが効かず、特に昼の部は修行のようになってしまいました💦

始まるまでの間、梅若万三郎家所蔵の能面の写真集をご覧いただきました。

演者のご挨拶に始まり、今回の公演の内容についてご説明します。

今回は仕舞5曲、謡(連吟)2曲です。

仕舞は主役による分類の「神・男・女・狂・鬼(しんなんにょきょうき)」の順にご覧いただきます。

この順番は遠い昔、まだ時間の流れが緩やかだった頃の演能の順番でもあります。

昔は能は1日かけて演じられていました。1日の始まりには「神」を主役とした清々しいものがふさわしく、その次の二番目ものは「男」を主役に勇ましい動きのあるものを。そして三番目ものは能の真骨頂と言われる「女」を主役とした幽玄の優美な演目を。夕刻には四番目には「狂」を主役とする目を引く激しいものを。そして1日の終わり、日も暮れた頃には恐ろしさを演出する「鬼」を主役とするものを。

1日の日の光が、能の演出そのものであった時代です。

そんな流れを知っていただくために、仕舞という能のクライマックスを切り取った形で今回ご覧いただこうという趣旨になっております。

より理解を深めていただくため、今回は全ての演目の詞章をお付けしました。よろしければこのブログをお読みの皆様もダウンロードしてお楽しみくださいませ。

仕舞「高砂」

まず「神」を主役とする仕舞「高砂」からスタート!

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仕舞「高砂」 梅若志長

仕舞「高砂」ではストーリーの後半、住吉明神という男の神様の舞をご覧いただきます。

仕舞では面をつけませんが、実際の能では「神体」または「邯鄲男」という面を使います。実は私、個人的に「神体」という面が大好きです。「神体」と名付けられている面はどれもとてもハンサム。能「高砂」をご覧になるときはぜひ面にご注目ください。

仕舞「屋島」

続きまして、次の演目は「屋島」。修羅道(地獄)に落ちた義経の姿です。壇ノ浦の戦の様子を表しています。武士は戦い(殺生)に明け暮れているため、全員修羅道に落ちます。「勝修羅(かちしゅら)」「負修羅(まけしゅら)」という言葉があります。地獄に落ち、勝ち戦を繰り返すのが「勝修羅」、自害など負け戦を繰り返すのが「負修羅」です。「勝修羅」は比較的、縁起の良いものとされます。

「今日の修羅の敵は誰そ」という謡から始まる「男」義経の舞「屋島」をご覧いただきます。

能「屋島」で使う面のご紹介
仕舞「屋島」 梅若紀長

仕舞「羽衣」

1日の能の流れではそろそろお昼頃になって参りました。

能を代表する三番目もの。「女」、天女が主役の「羽衣」をご覧いただきます。

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能「羽衣」で使う面のご紹介。角度によって表情が変わる様をお楽しみいただきました。
仕舞「羽衣」 梅若紀佳

天女が天に帰っていく様を表現する、細やかな工夫が説明されました。

「浦風にたなびき たなびく

三保の松原 浮島が雲の

愛鷹山や 富士の高嶺

かすかになりて 天つ御空の  霞に紛れて 失せにけり」

「三保の松原」の時の視線は、もうすでに天女は舞い上がっているので下を向いている。

「富士の高嶺」のときは、すでに同じ高さまで上がっているので視線はまっすぐ前を。

舞い上がっていく天女の姿が浮き上がり見えてくるようです。

さて今回の謡と仕舞の会、大変内容の濃いものとなっております。

記事も3回に分けてお送りします。続きをお楽しみに。

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この記事を書いた人

株式会社 Umewaka Noh 代表取締役 
能を知ろうワークショップ主催
梅若万三郎家の人。家族は全員能楽師。
52歳で海外一人旅をスタートしスペインの巡礼路を歩きました。一人でも多くの人に、能と旅の楽しさを知っていただけるといいなと思って、記事を書いています。
能には旅人が登場し、観客の目となり耳となってその場の出来事を感じ伝えてくれます。私もそんな役目ができたらと願っています。

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