能を知ろうワークショップの開催

能を知ろうワークショプの開催

講師紹介

梅若 紀佳 氏(能楽シテ方観世流)・

提供:梅若紀佳

能の家として700年近い歴史を持つ梅若万三郎家に生まれる。祖父・三世 梅若万三郎、父・梅若紀長に 師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科( 能楽 ・シテ方専攻 )卒 業 。 3歳で初舞台以降、子方( 子役 )の舞に 多数出演し、2018年に能『 羽 衣 』で初めてシテ(主役)を勤める。2019年には万三郎家が長年継続してきた海外公演の一環でスイス・ドイツ公演に参加した。能の魅力を分かりやすく伝える姿勢には定評がある。子供たちに向けた能楽鑑賞会なども主催している。

梅若 志長氏(観世流シテ方)

提供:梅若志長

平成12年生。能の家として700年近い歴史を持つ梅若万三郎家に生まれる。祖父3世万三郎及び、父紀長に師事。幼少時は子方として「橋弁慶」「関寺小町」「烏帽子折」などの大曲に出演する。平成22年には「合浦」にて初シテ (主役)を勤め、平成25年には<千歳>を披く。近年においては「石橋」「乱」を披くなど、東京藝術大学音楽学部邦楽科にて勉強しながら、舞台活動も積極的に取り組む。現在、日本大学の能楽研究会(サークル)にて講師として同世代の指導も行っている。

令和4年7月31日 第1部13:00開始、第2部17:00開始 梅若万三郎家能舞台

今回は自主公演として開催しましたので、講師ではなく演者紹介です。😀

演者:梅若紀長、梅若紀佳、梅若志長

令和4年6月は講師陣多忙のため、お休み致しました能を知ろうワークショップ。

7月31日、猛暑の中、皆様にお集まりいただき開催することができました。

今回の内容は初めての紀長家四人での開催で、思いが強く内容も長くなりますので

記事として何回かに分けてアップします。ぜひ記事の方をご覧くださいませ。

令和4年5月13日 20:30開始 梅若万三郎家能舞台

講師:梅若紀佳、梅若志長

梅雨を思わせるような雨の中お仕事終わりにお集まりいただき、能を知ろうワークショップ実践編!を行うことができました。

時計の時間にご注目!遅い時間にありがとうございます。

今日は実践編ですので、ご説明もそこそこに体を動かして参ります。

白足袋に履き替えて舞台へ上がります。能舞台は神に奉納する舞を行うところですから、神聖なものと考えております。白足袋以外で上がることは許されておりません。ご用意がない場合、例外的に毛氈(もうせん:フエルトですね😊)を敷いて上がっていただくことはあります。

まずは運び(足の進め方)から。これが能の芸の要となるところです。上手な人は足の裏が全部生きているようです。舞台に吸い付いているような浮いているような美しい動きです。滑らせて前へ進め足先を浮かせて体重を移動する。その繰り返しです。私がこの家に来た約30年ほど前には90代にもなる内弟子さんが毎日「運び」を稽古をしに舞台にいらしていました。どんなに芸歴を重ねても、これが能の基本なのだと感じ入ったものです。

講師からは舞台のエネルギーをいただくように、なるべく舞台に長く接しているように動いてみてくださいとの言葉がありました。

基本姿勢、構えを作り、早速運びの実践です。どんどん行きます!

能は型の連続です。いくつか型を覚えてしまうと実際能を観に行った時に、能楽師の動きを理解することができます。

カザシ扇の型を学びます。明るく見せるために扇を立てて伏せないように舞いましょう、という感じ。

そうこうしているうちに2分弱の『猩々』の仕舞を学び終えました。皆様覚えが早い!舞台の上でご披露となりました。

お見事でした。駆け足の1時間半で、全員初めての仕舞をやり遂げました。

最後に講師:梅若志長の『熊坂』の仕舞を鑑賞。

教えていない「足をかける」動作などまでできてしまう皆様に講師も脱帽でした👏

楽しいお時間をありがとうございました!

令和4年4月7日 15:00開始 梅若万三郎家能舞台

講師:梅若紀佳

桜の咲く良いお天気に恵まれた日、能を知ろうワークショップを行うことができました。

まずは、能の歴史、梅若家の歴史から。700年ほど続いている梅若家ですが、元々の名前は梅津で、

後土御門天皇(ごつちみかどてんのう:第103代天皇 、1442ー1500 )の前で「芦刈」という演目を舞った際に「若」の字を賜り、それ以来「梅若」という名前になったことなど。

能舞台の独特の構造や、後ろの老松が描かれている背景は鏡板といい、能舞台の正面にある松(神の依代)が映し出されている設定で、能楽師は正面の神に向かって演能していることなど、説明します。

「神男女狂鬼」の5種類に分けられる能の演目についてご説明した後、講師が仕舞を一つ披露することになりました。「どの種類の仕舞が見たいですか?」という講師からの問いかけに

今日の参加者で一番若い15歳の方に選んでいただきました。「鬼」

なるほど、やはり時代は鬼滅の刃でしょうか。若々しい。

講師が「鬼」の演目の中から選んだのは「鞍馬天狗」

最強の武士、源義経を育てたのは天狗だと言われていること、それで謡の中に「牛若丸」という言葉が出てくることなど説明があってから仕舞が始まりました。

講師の説明をしている声と謡の声の違いに、参加者から驚きの声が漏れました。

皆さん、熱心に聞き入っていらっしゃいます。

現在の面打ち師などお話は広がります。

「能面を付けてみると片方しか見えない」「効き目の方だけ」とか「口や鼻の穴からも少し見える」など、能面を付けてみての感想も面白く、

「能面は角度が変わると表情がまるで変わってしまうので能楽師は自分の都合で顔の角度を変えることができないんです」と皆さんからの感想に触発され、講師からも普段出てこない言葉を聞くことができました。

面も実際につけてみるとこれを付けて動くことの難しさ、謡うことの難しさがわかります。装束をつけて体を大きく見せて面をつけるので、お洋服だと面がすごく大きく見えますね😊
基本的な姿勢を学びます。
舞の型を一つ。実際に体を動かしてみよう!
最後に全員で「高砂」の一節を謡いました! この写真の瞬間だけマスクを外しました。

1時間半の講座でしたが、「圧倒されました」「あっという間だった」「能の奥深さに感動しました」「めちゃくちゃ勉強になりました」「もっともっと知りたくなりますね。」「公演に行きたい!」と、嬉しい感想を頂きました。

お帰りの際には外から帰ってきた梅若万三郎からもご挨拶させていただくことができ、色々とラッキーでした。

これからも能の価値を伝えるべく、精進して参りますので、ご覧の皆様も是非気軽にご参加くださいませ😊

お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

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