
道成寺へ詣でる
十月十一日、国立能楽堂で、梅若志長が能「道成寺(どうじょうじ)」を披きます。
その舞台に上がる前に、志長は和歌山の道成寺へ、一人で詣でてまいりました。以下は、本人の記録です。
遠くまで来たな
今回の目的地は、和歌山県にある道成寺です。東京から和歌山まではなかなかの距離がありますので、少し余裕を持った行程にしました。
まず東京から新幹線で名古屋へ。名古屋で乗り換え、和歌山駅へ向かいます。到着したのは夕方でした。この日は無理に道成寺まで向かわず、駅の近くに宿を取って一泊することにしました。
翌朝、駅でレンタカーを借りて、いよいよ道成寺へ。電車での移動とは違い、車で走っていると、和歌山の街並みが少しずつ姿を変えていくのが分かります。山と田園を眺めながら走っているうちに、遠くまで来たな、と実感しました。
絵解き説法
道成寺に到着し、まずは境内をゆっくりと歩きました。
道成寺といえば、安珍・清姫の物語。そして、その物語をもとにした能「道成寺」でも知られるお寺です。
今回は、道成寺で行われている「絵解き説法(えときせっぽう)」を受けました。大きな絵を見ながら、安珍と清姫の物語を順番に聞いていきます。
知っている物語でも、実際にこの場所に来て、この場所で聞くと、また違った面白さがあります。絵を見ながら話を聞いていると、昔の人々がこの物語をどのように受け継いできたのか、その一端に触れられたような気がしました。

説法のあとは、本堂で御祈祷をしていただきました。御祈祷を終えて境内に出ると、朝から続いていた暑さの中にも、どこかすっきりとした心持ちがありました。
せっかくここまで来たのですから、帰りも寄り道をしながら和歌山を味わいたいところでしたが、今回の旅の目的はひとまず達成です。道成寺を後にして、また車を走らせました。道成寺で過ごした時間を胸に、和歌山を後にしました。
十月十一日、国立能楽堂
物語の生まれた場所を歩いてきた者が、十月十一日、国立能楽堂の舞台で鐘に入ります。
「道成寺」は、能楽師がこれを勤めて初めて一人前と認められる大曲です。披く(ひらく)ことができるのは生涯にただ一度。
梅若研能会は間もなく創立百年を迎えます。百年の歴史を礎に、次代へ向けた新たな一歩となる一日に、ぜひお立ち合いいただければ幸いです。
梅若研能会創立百周年記念 橘香会
令和八年十月十一日(日)十四時開演(十三時開場)
国立能楽堂 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1
能「道成寺」白拍子・蛇體 梅若志長
連吟「四海波」/舞囃子「乱(みだれ)」双之舞/狂言「舟渡聟(ふなわたしむこ)」/仕舞「花筐」「砧」「山姥」
指定席SS・S・GBは完売いたしました。みどころ講座も満席となりました。ありがとうございます。
A 10,000円/B 8,500円/C 7,000円(学生席は各券3,000円引・要学生証)





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